、井上監督と!同じ100kg級としてまだまだ先生の実力には届きませんが、金メダルを日本に奪還できて良かったです✨
一緒に戦えて幸せでした!! pic.twitter.com/UcwNsno5Gr— ウルフアロン A.WOLF (@maronaaron0225) August 2, 2021
東京五輪 柔道100kg級ゴールドメダリストの「ウルフアローン」選手が中学二年の時に書いた作文(優秀賞受賞)が素敵すぎてネットに話題になっています。
感動の作文をご覧ください。
Contents
ウルフ アローン選手の作文
中学二年の夏に思うこと
文教区立第一中学校二年 ウルフ アロン
今、僕がここに書いていることを、二〇一九年の夏にも同じように思い、感じていたら、それは僕がこれからの十年を精一杯生きた証だと思う。
僕が講道館で柔道を始めたのは、小学校入学直前の春休み、二〇〇二年三月だった。
当時、日本柔道は全盛期だったと僕は記憶している。
さまざまな国際試合で、多くの日本人選手が見事な技で勝つのを見て感動したのを、今でのはっきりと覚えている。
しかし、いつからかその無敵だったはずの日本の柔道にかげりが見え始めてきた。
それを決定的にしたのは、鈴木選手が投げたはずが、相手に返されたとみなされてしまい、最後に背中をついていた鈴木選手が負けてしまった試合だと僕は思っている。
あの時僕は、幼いなりに何かが違う、変わりつつあると感じた。
僕が今まで習ってきた柔道は完全に否定されたような気がしたのだ。
そして、その時だった。
僕が習ってきた日本の柔道を、後輩たちに誇りをもって伝えていきたい、世界がなんと言おうとも、僕は僕の信じた柔道を続けていきたいと思ったのだ、なんとなく将来について考え始めた、小学校も終わりの頃のことだった。
柔道が「JUDO」になろうとも僕にとっては「柔道」であり、勝つことだけが目的ではない。
柔道から僕が学んだことはあまりにも多く、「JUDO」で片付けることはできないのだ。
僕は柔道の指導者になりたいとその時初めて思った。
勝つことだけでなく、人として学ばなければならないすべてのことが指導できる人間になりたいと思ったのだ。
二○○九年夏、小学生の時に感じたあの思いは今も変わることなく僕の心の中にある。
指導者になりたいという僕の思いはさらに強くなってきている。
柔道部部長になった今、その責任の重さを痛感している。
みんなをまとめ引っ張っていくことの難しさ、自分意見を言うだけではなく、周りの人の意見もきちんと聞き、支えられていることを常に忘れずに、感謝して行動しなければならないことに気付かされた。
周りの人の意見を聞くことはとても大切なことだが、決して流されてはいけないこと。この兼ね合いが難とも難しい。
行き過ぎると自分勝手だと思われるし、足りないと優柔不断だと思われてしまう。
また柔道のことだけを考えていれば良いわけでもない。
一応僕は中学生。
勉強もしなくてはならない。
文武両道とは良く言ったものだ。
これがまたとても難しい。
勉強に力を入れると柔道の稽古がおろそかになり、柔道の稽古に力を入れると勉強がおろそかになる。
このバランスのとり方は僕の一生の課題になっていくことだろう。
僕の目指す指導者になるためには、まだまだ学ばなければならないことがたくさんある。
その基礎の段階が、まさしく今、中学校時代だと思う。
勉強、柔道はもちろんだが、何事にもまけない強い精神力、やさしい心、思いやりの精神なども人として学ばなければならない大切なものだ。
今の僕はこれらのことを頭では理解できているが、実際に行動するとなるとうまくいかないことが多い。
僕は残りの中学校生活を大切にし、さまざまなことを十分に学べるようにこれからも努力していきたいと思う。
夢への近道はない。
こつこつと努力を重ねた先に、僕の思い描いている夢があるはずだ。
僕は努力は裏切らないと信じている。
十年後も努力の途中かもしれない。
それでもいい。
夢に向かって一つ一つ小さな目標を達成していけば、その夢は叶うはずだ。
柔道の先生が言っていたことだ。
小さな目標一つも達成できなければ、夢には届かない。
僕はこれからも、夢に少しでも近づけるように目標を一つ一つクリアしていくつもりだ。
これを読んでいる十年後の僕の価値観と今の僕の価値観が同じであってほしい。
十年後もなお、小さな目標を一つ一つクリアしている自分であってほしい。
そして大好きな柔道にかかわっている自分であることを心から願っている。
ウルフ アローン選手について
ウルフ・アロン [ Aaron Phillip Wolf ]
出生地 東京都葛飾区新小岩
階級は100 kg級。
身長181 cm。
段位 | 五段 |
所属 | (学)了德寺大学職 |
出身校 | 文京第一中学校-東海大浦安高校-東海大学 |
生年月日 | 1996年2月25日 |
選考日 | 2017年4月29日 |
組み手は左組み。
得意技は大内刈り。
父親はアメリカ出身で駒澤大学の講師を務め、母は日本人。
戦歴
2018年11月 | グランドスラム・大阪 | 100kg級 | 優勝 |
2019年2月 | グランドスラム・パリ | 100kg級 | 2位 |
2019年4月 | 全日本選抜体重別選手権大会 | 100kg級 | 2位 |
2019年4月 | 全日本選手権大会 | 無差別 | 優勝 |
2019年7月 | グランプリ・ブダペスト | 100kg級 | 優勝 |
2019年8月 | 世界柔道選手権東京大会 | 100kg級 | 3位 |
2019年11月 | グランドスラム・大阪 | 100kg級 | 3位 |
2019年12月 | ワールドマスターズ・青島 | 100kg級 | 2位 |
2021年3月 | グランドスラム・アンタルヤ | 100kg級 | 2位 |
2021年4月 | アジアオセアニア選手権 | 100kg級 | 優勝 |
感想
考えていることも、言葉の選び方もしっかりしてといても中学二年生の文章だとは思えないそんな感想を持ちました。
特に10年後の自分に向けて書いている思わせる舞台設定が素敵で、かつその設定をオリンピックで金メダルを取るという偉業をなしとげ目標に向かい着実に進んでいることですね。
まさに有言実行で、ホント素晴らしいですね。
まとめ
この文書を実現する過程で、オリンピックで金メダルを「ウルフ アロン選手」…。
カッコいいですね。
私自身の記憶にとどめたい内容でした。
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